皆様、こんにちは!蒸し暑い日が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。
さて先日、東海大学国際学部の1-2年生、約100名を対象としたグローバル・アクション・ベーシック(GLOBAL ACTION BASIC)という授業の一コマでGBNの活動・ウガンダのプロジェクトについてお話しする機会がありました。
講義の様子
この授業は、JICAが協力している授業で、受講した学生が国際協力への理解を深め、実際にアクションを起こしたり、卒業後のキャリアに繋げたりすることを目的としているもので、ゲスト講師としてJICAから依頼を頂き、ウガンダにおける「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」を中心にお話ししました。
布ナプキンについて説明する大西
必修の1限の授業、しかも大教室だったので、寝ている学生が多いのではと心配していましたが、良い意味で期待を裏切られました。出席した学生からは感想を提出していただいたのですが、多くの学生がウガンダで起きている月経衛生管理にまつわる課題や、GBNの事業の狙い、成果についてきちんと理解してくれていました。
その上、日本でも性教育、月経に関しては教育の場のみならず、社会でも未だにオープンに話されていない現状や小学校では月経については女子だけが集められて教わる慣習が未だにあること、男子学生は生理について知る機会が乏しく、日本でさえ正しく理解しているとは言い難いといった課題について、改善した方が良いという意見も多く寄せられました。
<興味深かった学生のコメントを抜粋してみました>
ウガンダに関するクイズをする横田
- 生理用品の不足により、ナプキンなどの代わりに古い布や葉っぱといった衛生的にも悪く、使用感も良くないものを仕方なく使わざるを得ない人たちが現在も多くいることや、生理によるからかいや侮辱が原因で学校に通いづらくなったり、最悪退学を選ぶ子供がいるという事実を知って非常にショックだった。生理は女性にとって子供のころから数十年もの間ずっと付き合っていかなくてはならないものだから、すべての女性が安全かつ快適に生理と向き合うことの出来る環境が保証されなくてはならない。そのため今回紹介された布ナプキンを自分たちで作れるようにするためのトレーニングや月経衛生管理クラブなどの取り組みがもっと途上国全域に広まっていくべきだと思った。また、日本で生理について学ぶ場は今でも性別で分けて教わることが多いため、男女間ではどうしても生理についてはもちろん、男性側の身体に関しても少なからず認識に相違が出来てしまう。こういったすれ違いを減らし、お互いがお互いに理解を持てるようにするためには、どこの国でも性教育は丁寧に行うべきだと思った。(女子学生)
- 今回のお話を聞いて昔生理のときに男子にからかわれたことを思い出しました。プールで休めば生理か?と言われたり、イライラしてたら生理前か?など言われた経験がありウガンダの女の子たちの気持ちがよく分かるなと思いました。しかし、仲の良い男性の友人は女子が多い環境だった故か生理について理解があり、生理のときには荷物を持ってくれたりカイロをくれたりなどの気遣いをしてくれていたので、男性が生理に対して理解しているということはとても大事なことだと思いました。また、日本ではあまり布ナプキンは普及していないと思っているのですが、なぜ日本では普及していないのか疑問に思いました。(女子学生)
- 今まで視野に入っていなかったところまで貧困地域の人々が苦労していることを実感できました。食事や生活環境、衛生面、このような部分ばかり目にいきがちですが女性はさらに負担が一気に増えるので本当に大変だと思いました。支援するときも食料や日用品ばかり支援しがちですがそこだけに偏らず色んな人の立場になって考えるべきだと思いました。妊婦さんや、障害を持っている人の対応とかもさらに知れたらいいなと思います。(女子学生)
- 女の子たちの生理の問題がこんなにも大変なことなんだと思い驚いた。生理が嫌だから妊娠しちゃうというのも正直衝撃だった。生理への対応が学校で違うという事や、学校も協力したいのに資金がないから協力出来ないその憤りも感じた。この話はデリケートな問題なのにトイレすらもプライベートな空間では無い、女の子たちはとても辛いと思う。生理用品を配ればそれでOKという訳ではないということ、また性教育も大切であることがよく分かった。(女子学生)
- 今回のウガンダでの取り組みは、女子児童たちを中心に行われていたけれど、途上国においての生理に関する悩みは、大人の女性にも当然あると思う。そのため、男子女子関係なく大人たちにもこうした正しい知識を伝えて行く必要があると思った。また、私たちは紙ナプキンを使うことが一般化されている方だと思うけれど、布ナプキンの方が経済的にも環境に対しても良いと思うので、もちろん洗う大変さなどのデメリットもあるけれど、布ナプキンの認知度は高めていくことが有効だと思った。そして、私も実際にナプキンに関わらず、生理用品にかかる費用は生涯通して考えると高額なものになるし、なぜ女子だけ払わなくてはいけないのかと疑問に思ったことが何度もある。もっと安く手に入るようになってくれたら嬉しいと思う。そのため、ウガンダ等の途上国に関わらず、日本でも生理についての概念や根本的な価値観から変えていく必要もあると改めて感じた。(女子学生)
- 今まで途上国における生理に関する問題について考えたことがなかったため、今回の話はとても興味深かった。日本では、使い捨ての紙ナプキンがスタンダードだが、そもそも布ナプキンの存在を知らなかった私にとって、ウガンダでは布ナプキンだということに驚いた。私が小学生の時、女子生徒のみ召集されて先生から生理についての話があったが、今思えば男子生徒も一緒に学ぶべきだったと思う。話の後に、先生が男子たちにはこの話のことは公言しないよう言っていたことを忘れられない。性教育に関しては、途上国も日本もあまり進んでいないと感じた。性に関する興味を持ちだし、からっかてしまう年ごろの男子生徒にこそ、性に関する正しい知識を早いうちから学ぶ場を作るべきだと思う。(女子学生)
- ウガンダの性教育とくに今回の生理事情の授業をしているのを聞いて、日本よりも進んでない所が多いけど逆に日本よりも教育が進んでいるところがあって驚きました。私も男女一緒に性教育の授業を受けたことがほぼなく、日本では男女別の授業でした。先生たちが真面目に真剣に授業をすれば生徒たちはからかうこととかせずに真剣に話をきくと思いました。私が小学生位の時に本当に真剣な授業を受けていたら恥ずかしいなどの感情にならないので、その方が良いと思いました。(女子学生)
- ウガンダでは、生理が原因で女子生徒が学校を中退してしまう事実を知り、非常に心が痛みました。女性であれば誰にでも起こる生理現象ですが、そのために教育の機会が奪われるのは深刻な問題です。私自身は母親が紙ナプキンなどを用意してくれているので、生理によって生活が大きく変わることはありません。しかし、ウガンダの女子生徒にとっては、生理が来ることで日常生活が大きく制約されてしまいます。この現実を知り、彼女たちのために何かできることはないかと考えさせられました。教育の継続を支援するための具体的な行動を起こしたいと思います。(女子学生)
- 私は、男性として生理についてあまり理解がありませんでしたが、この講義をきっかけに少しでも理解を深めようと思いました。他の国では、様々な要因が重なり、生理によって女子生徒が学校に行けなくなり、その結果、学校を辞めざるを得なくなってしまうことが非常に悲しいと感じました。日本でも生理に関する教育は十分とは言えないので、男女ともにオープンに学べる環境を作ることで、男性の理解も増え、女性がより生きやすい環境を整えることができるのではないかと思います。この講義を通じて、生理に関する知識と理解の重要性を再認識し、少しでも多くの人がこの問題に対する意識を高めることができればと願っています。(男子学生)
- 発展途上国では生理用品が不足しており、それに伴い性に関する知識もまだ十分ではないという点が新たな学びとなりました。今まで飢餓や貧困などばかり考えてしまっていたため、別の視野で世界を見る良い機会になりました。日本でも性教育が不十分だと感じるためウガンダで行っている性教育を参考、実践していくことで日本での知識向上に繋がると考えました。(男子学生)
- このプロジェクトは、女性の生理に関する問題を解決するだけでなく、男性も参加することでジェンダー平等と相互理解を促進する点が特徴的であり、男性も含めたコミュニティ全体が女性の生理について理解し、サポートすることで、偏見やタブーを減らし、包括的な社会を目指す取り組みとして非常に意義のある活動であると感じた。また、プロジェクトに参加した男性たちの感想も聞くことができ、彼らが女性の健康問題に対する理解を深め、積極的にサポートする姿勢を持つようになったことが分かった。さらに、実際にプロジェクトで使用された布ナプキンを見る機会もあり、私自身も女性の生理に対する理解を深めることができ、ジェンダーに関する意識が一層高まることができた。最後に、この講義を通じて、ウガンダでの具体的な支援活動を知ることができ、Global Bridge Networkの活動が単なる支援にとどまらず、現地の人々との協力や交流を通じて持続可能な社会を築くための重要な取り組みであることがわかった。これからも、国際協力の重要性を理解し、私自身も積極的に関与していきたいと強く感じた。(男子学生)
- ウガンダでは生理により学校に行けなかったり、生理が原因で学校を中退してしまう子がいることに驚いた。そもそもお金が無くて生理ナプキンを買えなかったり、貧困により、日本とは現状が全く違うことを知った。そして、プロジェクトにより布ナプキンを作成したり、男子生徒が主導になって生理を理解したりするタイミングがあり、そこはJICAのプロジェクトにより、達成した成果を理解した。日本では僕自身、女子と生理の授業を受けたことはなく小・中・高と生理の話はタブーだったので、日本の性教育がオープンにされていないことを実感した。しかし、(小貫先生のお話から)学校の先生も性教育の授業に対して抵抗を感じている現状を知り、この問題の難しさを知った。(男子学生)
- 日本では私が中学や高校の時も性教育などは授業で習ったが特に詳しく生理については詳しく習っていなくそういったところではウガンダの人たちのほうが進んでいるのではないのかと思った。また、生理は女性だけで解決する印象が強く男性はあまり関係ないと思っていたが動画を見て男子も女子のナプキンを作ったり察してあげたりしていて男女合同でこういった授業をすることが大切だと思った。女性だけでなく男性も一緒に寄り添って考える必要があるから日本でもこういった授業を取り組んでいく事が大切だと思う。(男子学生)
- 自分は男で姉妹もいません。その上生理というものもいまいちよく理解していません。先進国である日本に住んでて何不自由なく教育を受けてきた自分ですらそのような知識が乏しいのはやはり日本の教育機関の実態も言わずもがななのかなって思います。自分も心の中で生理用ナプキンとか性教育とか、どこかタブー視をしていてできるだけ触れないようにしていました。しかしこれだけオープンな授業を受けるとわりとタブー視することでもないし、家族や恋人を支えると言う意味でも知っておくべき内容だと思いました。日本人の僕ですらこんな心境なのに性の教育機関すらあるかわからないようなウガンダの全く無知な男の子達が女の子達をからかうのは無理もないし普通ではないけど起こり得る事象だなと思います。今回のお話は個人的にはかなり恥ずかしい内容だったのですが人間的に見て全く恥ずべき内容ではないと思いますそれなのになぜ恥ずかしいなと感じるのか矛盾を感じて不思議にかんじました。(男子学生)
ご担当の小貫先生からの質問
このような国際協力を志す学生に講義をする貴重な機会を得ることが出来、私たちの話を聞いて、自分にも何か出来ないか真摯に受け止めてくれた学生も居たようで、とても嬉しく思いました