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東海大学での出前授業 -質問への補足説明-

東海大学での出前授業の学生さんからの質問を受けての補足説明コーナーです!

遅くなりましたが、前回に活動報告させていただい東海大学での出前授業(2024年7月10日) について、学生さんからのコメントや質問、また少し誤解があったかもしれない点についてGBNとして補足や説明をさせていただきたいと思います。

  • Afripadについて

GBNのプロジェクトで独自に作成した布ナプキンはHappy-padといいます。Afripadというのは、大西がウガンダのイベントで出会った現地で生産・販売している市販の布ナプキンで、生理にまつわる問題があることを知る切っ掛けになった商品です。本事業の実施に関して、GBNはAfripadとは連携していません。

Afripad: https://www.afripads.com/

  • 布ナプキンのメリット

実際に使用したウガンダの女子生徒から聞かれた布ナプキンの主なメリットは、繰り返し使えて経済的ということです。貧困家庭にとっては使い捨てナプキンを毎月購入する資金がない家庭が多く、古着などを代用することで漏れてしまうことがあります。布ナプキンであれば長時間漏れず、きちんと清潔に保てば少なくとも1年は繰り返し使用できるというメリットがあります。他には、使い捨てナプキンの使用では生じていたかゆみやかぶれが軽減される、ゴミが出ないので環境に優しいといった点があります。ウガンダのみならず、日本においても使い捨てナプキンでなく、健康に良いということで布ナプキンを選択している人はいます。ただある調査では、日本における布ナプキンの使用率は2%、使い捨てのナプキンの使用率が98%というデータもあり、日本においては、まだ布ナプキンの認知度はとても低いようです。オーガニックコットンの布ナプキンを使用している日本人からは、蒸れない、かぶれにくい、肌触りが気持ちよい、イヤなにおいが減った、買い置きが不要になった、経済的、冷え性が軽くなったというコメントがありますが、感じ方には個人差があります。

  • 布ナプキンを使用する際の注意点

使い捨てのナプキンと同様、1年ほど使用したら交換すること、その間にきちんと洗って清潔に保つことです。ナプキンの吸水量、経血の量にもよりますが、少なくとも4時間毎に交換すること、使用後は洗剤でつけ置き洗いし、天日干しで完全に乾燥させることを推奨しています。

  • 水の問題

多くの学校においては、雨水をためるタンクを設置してありますが、特に乾期になると水の入手が困難という課題があります。各学校では生徒たちが数キロ程離れた川や井戸などの水源から運搬するなど、水を確保するための努力をしています。適切な月経衛生管理のためにも水源確保は重要であり、将来的には、各学校に井戸が整備されるなど水の安定的な確保がされることを願っています。

  • 生理は秘密にするべきという風習

ウガンダでは生理は秘密にするべき(タブー)という風習がありましたが、本プロジェクトでは、男性、男子生徒を巻き込んで啓発活動を行い、生理の問題を家庭や学校、地域で話し合えるような環境作りに努めました。なぜ男子生徒を巻き込むかというと、学校で生理が漏れた女子に対して男子生徒がからかうという問題があるからです。男子生徒は女性の生理について知識がないため、女性がなぜ生理になるかを分かっていません。しかし、ひとたび女性の生理について理解すれば、女子をからかう男子が激減、むしろサポートする(生理になった女子に上着をかけてあげる、女性教員に助けを求めてあげるなど)男子が増えるという実績がありました。そのため、生理について話題にすることへの批判は特になく、寧ろ、これまで知らなかった生理に関する問題に気付かせてくれたことへの感謝が男性の保護者等から聞かれました。

  • 資金面

各校へのミシンの提供、スタートアップの資材の提供はプロジェクト費を基に行いましたが、その後、ミシンのメンテナンス費用や、学校でナプキンを作るための材料費は各学校が調達して実施しています。学校において無償で布ナプキンを配布し続けるような資金がないのが現状ですが、永遠にサポートすることはできません。学校側も資金不足という課題はありつつも、各学校では材料の資金を保護者からの寄附で集めたり、学校がもっている予算の一部を充てたりして活動を継続しています。ある学校では学校で栽培したコーヒーの売上をナプキン作成の材料に充てていました。また、布ナプキン作成のための布などの資材は、全て現地調達したものを配布していますが、防水加工のある布などは首都でないと手に入らないこともあり、首都から離れた地域にある学校にとっては、首都まで資機材の購入に行かなくてはならないという課題があります。

  • 市販の使い捨てナプキンと、自作のナプキンの金額

使い捨てナプキン数個入りが1パック8個入り3,000シリングから3,500シリング(115-134円)程度(ナプキンの種類によってはもっと高額なものもある)で売られており、1年間使える布ナプキンは、Happy Padプロモーションセンターでは2枚セットで10,000UGX(385円)で販売されています。使い捨てナプキンを12ヶ月分購入する場合と比較すると、布ナプキンを購入した場合の方が安価ですが、自作すれば更にコストが抑えられます。

  • 日本の学生がウガンダの女の子達の教育環境改善に貢献する方法

まずは、GBNのウェブサイトに掲載しているレポートを読んで頂くなど、現地の現状を正しく理解して頂くことが重要かと考えます。その上でどんな支援が可能かが見えてくるかもしれません。例えば資金集め、広報、現地視察や、直接ではなくても間接的にプロジェクトのお手伝い(翻訳、事務作業、など)する方法もあります。支援の一例としては、数年前に大学生インターン生が、クラウドファンディングで資金を集め、カンパラ市内の小学校での布ナプキン作成のスタートアッププロジェクトを開始したということもありました。(関連リンク:https://globalbridgenetwork.org/mhmstartup/

ご興味ある方は是非ご連絡ください!