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女の子の教育環境改善事業

事業の背景
<生理が原因で女子が学校を中退?!>

ウガンダをはじめとする途上国では、貧困や距離など様々な理由で子どもたちが学校を中退するケースが後を絶ちません。その中でも、「生理」が女子生徒の教育継続を妨げる深刻な要因となっていることは、あまり知られていません。加えて生理について言及することがタブーという文化的背景があり、青年期の男女が学校や家庭で生理について教わらず、月経に関する正しい知識、衛生・性教育が不足していることも深刻な問題です。

 GBN は、NPO 法人設立前の2015年に「生理で学校に行けなくなる女の子を救いたい!!」を実施しました。貧困のため生理用ナプキンを購入できず、手元にある古着など不衛生なものを代用することによる感染、洋服などに漏れてしまったところを見た男子生徒にからかわれる等、生理が原因で学校を休学、中退してしまう女子生徒がたくさんいるという事実を知ったからです。そこで、1年間洗って使える布ナプキンを配布し、それが女子生徒の就学状況の改善にどれほどの効果を与えるか測るべく、調査を行いました。

その結果、布ナプキン配布後には、女子生徒の出席率や成績が大幅に向上し、中退していた生徒が復学する事例も確認されました。生理期間中に学校を休むと、1か月に長くて1週間、1学期の期間中に合計3週間近く休むことになり、学校の出席率や成績に大きく影響します。その結果、学校を中退してしまい、学校を出ていないことにより十分な収入を得られる職業に就く機会も逃してしまいます。また、男女ともに生理に関する正しい知識、衛生・性教育の不足、ジェンダー意識の低さも大きな原因であることが分かりました。

<GBNが目指す未来:生理を理由に教育を諦めない社会へ>

上記で述べた調査結果に基づき、これまで、布ナプキン作成トレーニングの拡充や、生理に関する正しい知識の普及、衛生・性教育、ジェンダー意識の啓発など、多角的な支援を行ってきました。しかし、教員による生理問題への対応力の不足や、女子トイレ・洗面所・更衣室などの設備の不備といった課題も明らかになりました。GBNはそれらの問題に対処し、より効果的なサポートを実現することで、ウガンダの女子生徒の就学率向上に貢献することを目指しております。

一般的に、使い捨ての生理用ナプキンを購入できない女性の多くは、何度も使用できる生理用布ナプキンの存在自体を知らないことが多いです。貧困家庭の女子が学校を退学してしまうと、児童労働・性産業への従事、若年の結婚・妊娠などに陥ってしまう可能性が高まります。女子生徒が将来、社会的・経済的に脆弱な立場に陥ることなく、自立した人生を歩むためには、生理期間中も安心して学校に通える環境が不可欠です。GBNは、基礎教育の継続を支えるための月経衛生管理(MHM)支援を通じて、女子の教育機会の向上に取り組んでいます。


【現在の活動】

「女子にやさしい教育環境のための地方政府による学校の月経衛生管理(MHM)導入支援」
(2025年~現在)

<地方政府が主体となって、学校の月経衛生問題に取り組みます>

本プロジェクト(JICA草の根協力支援型)では、ナンサナ地方自治政府が主導し、学校現場にMHMを導入・定着させる体制を構築。教育関係者、保護者、地域住民、政府職員を巻き込みながら、女子生徒の退学・欠席率の減少を目指しています。具体的な活動としては、更衣室の設定、教員研修、布ナプキン作成のトレーニング、MHMクラブの設立、PTA会議の開催などを地方政府が主導して実施する仕組みづくりを進めていきます。



【過去の活動】

「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」
(2021年~2024年)

<それまでの取り組みを発展させ、JICA草の根技術協力事業として実施しました>

2021年から2024年にかけて、ウガンダのムベンデ県、ブタンバラ県、ワキソ県において、女子生徒が月経期間中でも安心して通学し、基礎教育を修了できる環境づくりを目指した支援活動を展開しました。活動では、教員の対応力を高める研修のほか、学校での布ナプキン作成、衛生・性教育やジェンダー平等の啓発、女子トイレや洗面・更衣室の整備、MHMクラブの運営支援などを実施しました。さらに、女子教育や月経に関する理解を広げる地域啓発活動や、布ナプキンの生産・販売・トレーニングを担うプロモーションセンターの設置、地方政府との連携強化など、包括的なアプローチを通して持続可能な仕組みづくりに取り組みました。

2023年7-8月 ウガンダ視察動画

◆ムベンデ県(2023年7月31日~8月2日) 対象校10校のうち3校を視察
(パートナー団体:SORAK)

◆ ワキソ県(2023年8月4日)
対象校10校のうち2校の視察とナンサナ市議会を訪問
(パートナー団体:SORAK)

◆ブタンバラ県(2023年8月8日 )
対象校10校のうち2校の視察とブタンバラ地方政府を訪問
(パートナー団体VOTU)

「生理で学校に行けなくなる女子学生の教育環境改善事業」
(2017年~2019年)

2017-2019年の3年間、Lush Japan様の助成でウガンダのムベンデ県にある現地NGOのSORAK Development Agency*と協働し、生理による女子生徒の中退防止を目標に、布ナプキンの作成指導、衛生・性教育、ジェンダー啓発等の活動を実施しました。
リンク:SORAK Facebook

 

本事業を始めたきっかけ(2015年)

クラウドファンディングサービス「Readyfor」にて、
「布ナプキンで生理で学校に行けなくなる女の子を救いたい!」という事業を実施しました!